共同広報推進室
共同広報推進室理学療法士
療法士を追う-小学生に伝える大切なこと
みなさん、こんにちは!広報の新井です。
今回は、リニエ訪問看護ステーションの岩渕PTが西天満小学校(大阪市北区)の小学4年生約60名に向けて、「ヒトのココロとカラダ」というテーマで、
・障がいってなに?
・脳の働きについて
・感情について
といった内容の話をすると聞き、特別授業にお邪魔してきました。
障がいと一言で言っても様々ですよね。
具体的に、何でしょう?と問われても説明が難しいのではないでしょうか。
岩渕PTが子どもたちの視点に立ちながら、まずは国語辞典での意味を紹介します。
・物事の成立や進行の邪魔をするもの
・何らかの原因(先天的、あるいは病気や怪我などで)その機能を果たさないこと、またその状態のこと
という難しい記載に、子どもたちはまだピンとは来ていない様子。
この意味を噛み砕きながら、岩渕PTが子どもたちに続けます。
「僕が今、緊張で逃げ出したい!と思っても、みんなが教室の出入口を通せんぼして逃げられないようにすると、これは障がいになるんです」
そう話すと、子どもたちは一斉にハッとした表情になり、「それも障がいなんや!」「あ〜!障がい物競争!」「障がいってそういうことなのか!」と口々に声が上がります。
なにか目的を成し遂げようとするときに生じるアクシデントや妨げが障がいなのだという話が、瞬く間に子どもたちにとって身近に感じられるものになったと感じた瞬間でした。
障がいって身体のことだけでなくて、みんなそれぞれの身近にたくさんあるんだよと岩渕PTは伝えます。
続けて、嬉しいときってどんなとき?悲しいときってどんなとき?そんなとき、みんなはどうする?と問いかけると、「美味しいものを食べたとき、飛び跳ねたくなる」「ドッジボールで当てたとき、よっしゃー!ってなる」「嫌なことを言われたとき、怒る」など、次々に手が挙がりみんな積極的に答えてくれました。
子どもたちの反応から岩渕PTが伝えたかったのは、みんなそれぞれに、出来事に対して感情が生まれること、その感情が生まれて行動になること、そして、障がいのあるお友だちも感情は同じように生まれるし、みんなとまったく同じなのだ、ということでした。
行動したり表現したりすることがちょっと難しい、ただそれだけのことなんだよ、と。
たとえば、算数が得意な子もいれば苦手な子もいます。
もし、「自分のやりたいことをする前にまずは算数の問題を解いてからにしましょう」と言われると、算数が苦手な子にとって、それは障がいになりますね。
「障がい」とは特別でもなく、自分が生きていく上でやりたいことができた時に邪魔になるもの。
嬉しい・悲しい・悔しいといった気持ちを伝えるのは少し難しいけれど、そんな風に感じる思いはみんなと一緒なのだということを子どもたちに届くよう、繰り返し丁寧に伝えていました。
最後に、障がいのあるお友だちとのエピソードを子どもたちに教えてもらうと、「最初は緊張した」という言葉が多く聞こえてきました。
こうした率直な声を受け止めながら、学校の先生は、「最初の緊張を感じながらも時間をかけて一緒にすごすことで緊張がほぐれて慣れていったり仲が深まったりしていくのでしょうね」とおっしゃっていました。
この特別授業のきっかけは、岩渕PTがリハビリで訪問しているYくんのお母さまや担任の先生からのお話だったそうです。
障がいのあるYくんのことを子どもたちは当たり前に受け入れてくれているけれど、成長するにつれて色々な気持ちが生じるでしょう、とお母さまが話してくださいました。
学校では見えないYくんの頑張りや関わり方を知ってほしいという思いとともに、子どもたちそれぞれに、障がいに対する考えが変わっていくこと、戸惑いが生まれることも当たり前で、その当たり前の変化や戸惑いを受け止めて、みんなで考える機会を持てるようにと先生方とご相談なさっていたそうです。
Yくんや子どもたちを包み込むお母さまのあたたかい眼差しと、先生方の深い思い、そして岩渕PTの真っ直ぐな言葉が合わさった貴重な特別授業でした。
後日、子どもたちからの感想が岩渕PTに届いたそうです。
それぞれに、色々な思いに向き合う時間になったのではないかなと思います。
今回、撮影を快く受け入れてくださった西天満小学校の先生方、児童の皆さん、Yくんのお母さまに感謝申し上げます。
ご協力いただきありがとうございました。
今後も地域に貢献する療法士、看護師の姿を追いかけていきたいと思います!
共同広報推進室 新井