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お知らせ講演情報

社会作業療法学会 第1回学術大会「リニエ学校支援」を発表しました

社会作業療法の可能性を考える学術大会

― 学校という「生活の場」で、作業療法士にできること ―

2026年10月4日(日)、森ノ宮医療大学で開催された「一般社団法人社会作業療法士協会 第1回学術大会」にて、リニエグループからは、リニエLの丸山(作業療法士)とリニエRの八重樫(作業療法士)が、「リニエ学校支援」をテーマにワークショップで発表しました。

今回の学術大会では、社会の中で生じるさまざまな困りごとに対して、作業療法の視点からウェルビーング(Well-being)を支える実践や可能性が共有されました。

学校作業療法をはじめ、認知行動療法、司法領域、運転支援など、さまざまな領域での実践が紹介される中、リニエからは、大阪府河内長野市での学校作業療法の実践と、東京都で長年取り組んできた学校支援の実践を紹介しました。

学会名一般社団法人社会作業療法士協会 第1回学術大会
開催日2026年10月3日(土)・4日(日)
会場森ノ宮医療大学 東棟(イーストポート)1階
ワークショップ(リニエ)2026年10月4日(日)13:00~13:45/会場②
テーマリニエ学校支援
担当丸山 梨恵OT(リニエL)/八重樫 貴之OT(リニエR)

「リニエ学校支援」とは?

リニエでは、学校生活の中で困りごとを抱える子どもたち、そして子どもたちを支える先生方に対して、作業療法士などの専門職がどのように関わり、支援できるのかを考える「リニエ学校支援」に取り組んでいます。

子どもたちの困りごとは、一人ひとり異なります。例えば、授業中に集中することが難しい、席を離れてしまう、指示がうまく伝わらない、気持ちを言葉にすることが難しい、友だちとの関わりでトラブルになってしまう、教室に入りにくい、学習や道具の操作に難しさがある、といったさまざまな困りごとがあります。

こうした課題に対して、作業療法士は子どもの能力だけを見るのではなく、「その子が学校生活の中で、どのような活動に参加し、どのような場面で困っているのか」という視点から状況を捉えます。

そして、子どもへの直接的な支援だけではなく、教室環境や道具、課題の設定、先生方の関わり方なども含めて、学校生活全体から支援を考えていきます。

河内長野市で始まった「学校作業療法」

今回、丸山OTからは、2026年4月より大阪府河内長野市で開始した「河内長野市学校作業療法士配置モデル事業」における実践を紹介しました。

河内長野市には、小学校13校、中学校7校があり、全小中学校に通級指導教室が設置されています。また、理学療法士・言語聴覚士と連携した巡回相談や発達検査も行われており、多職種が連携しながら子どもたちを支える体制が整えられています。

学校全体の環境を整える

実践の一つとして、教室の環境調整があります。机や椅子、黒板周りなど、子どもたちが日々過ごす環境を確認し、より学習や活動に参加しやすい環境を考えます

相談ケースへの支援

先生方から相談を受けた子どもについて、実際の教室で様子を観察し、担任の先生やOTサポーターと振り返りを行う取り組みも行っています。各学校には月2回、OTが配置され、観察と振り返りを通して、子どもへの支援方法を一緒に考えています。

先生方は「専門的な視点」を求めている

学校作業療法を始めるにあたり、河内長野市では管理職・教員を対象とした事前アンケートを実施しました。管理職からは40件、教員からは60件の回答があり、学校作業療法士への期待度は次のような結果となりました。

管理職平均 8.47/10
教員平均 8.03/10

いずれも、学校作業療法士に対する期待が高いことが分かりました。特に教員からは、「教員とは異なる専門的な視点で子どもを見てほしい」「子どもの困りごとの背景や原因を知りたい」「具体的な対応方法や声かけを知りたい」「環境調整や授業での工夫を知りたい」「自分たちの支援の引き出しを増やしたい」「教員だけでは対応しにくい課題を一緒に考えてほしい」といった声が寄せられました。

一方で、「作業療法士が何をするのか分からない」「何をどこまで相談してよいのか分からない」といった声もあり、学校現場におけるOTの役割を分かりやすく伝えていくことも重要であることが見えてきました。

「子ども」だけではなく、「先生」と一緒に考える

学校での支援を考える上で大切なのは、先生方が日々感じている「どうしたらいいのだろう?」という疑問や困りごとを一緒に整理し、子どもの見方や支援方法を考えることも、学校作業療法の大切な役割です。

実際のアンケートでは、「立ち歩きや離席」「指示が通らない、集中が続かない」「対人トラブル」「登校しにくい、教室に入りにくい」「集団の中での個別対応」「教室環境や学習方法の調整」など、学校現場で先生方が抱えているさまざまな困りごとが挙げられました。

作業療法士は、こうした困りごとに対して、子どもの特性だけを原因とするのではなく、「なぜ、この場面で困っているのか」「環境を変えることでできることはないか」「活動の方法を変えることで参加しやすくならないか」という視点から、先生方と一緒に支援を考えていきます。

東京で積み重ねてきた学校支援の実践

今回のワークショップでは、リニエRの八重樫OTから、東京都での学校支援についても紹介しました。

リニエRでは、2015年より東京都立板橋特別支援学校にOT・PT・STを派遣。現在では、肢体不自由特別支援学校、知的障害特別支援学校、小学校の支援学級など、複数の学校で作業療法士が学校現場に関わっています。

作業療法士が関わる内容は、姿勢や身体の使い方だけではありません。食事や更衣などの日常生活動作、学習場面での道具の使い方、教材の工夫、机や椅子などの環境設定、問題行動の背景の評価、活動や参加を促す方法など、幅広い領域で支援を行っています。

「学校」という生活の場だからこそできる支援

作業療法士が大切にしているのは、「その子が何ができるか」だけではありません。

その子が、学校という生活の場で、どのように過ごし、
どのような活動に参加しているのか。

その視点から子どもを見ていくことで、これまで見えていなかった困りごとの背景や、支援の可能性が見えてくることがあります。学校は、子どもたちが学ぶ場所であると同時に、友だちと関わり、遊び、食事をし、さまざまな経験を積む「生活の場」です。だからこそ、作業療法士が教育現場に入り、子どもたちや先生方と一緒に考えることには、大きな意味があると考えています。

リニエL(大阪)・リニエR(東京)の連携から、学校支援をさらに広げる

今回の学術大会では、リニエLが大阪・河内長野市で取り組む学校作業療法と、リニエRが東京で積み重ねてきた学校支援の実践を一つの場で紹介しました。

地域は違っても、共通しているのは、「子どもたちが、その子らしく学校生活を送るために何ができるか」を考えること。そして、子どもたちだけでなく、子どもを支える先生方と一緒に支援をつくっていくことです。

今回の発表を一つの機会として、リニエL(大阪)・リニエR(東京)それぞれの実践や知見を共有しながら、学校という地域の中で、作業療法士が担える役割をさらに広げていきたいと考えています。

これからも私たちは、医療・介護・障害福祉の枠にとどまらず、「その人らしく暮らす」ことを支えるために、地域のさまざまな場所へ専門性を届ける活動を続けていきます。

広報 川口

関連情報

社会作業療法学会 第1回学術集会
https://www.jasot-academic-conference001.com/

「リニエ学校支援」では、学校支援に関する取り組みや、作業療法士の視点から見た教育現場について、note・Threads・Instagramなどでも発信しています。学校支援や子どもたちの発達、作業療法に興味のある方は、ぜひご覧ください。

発表者(丸山OT・八重樫OT)

◼️丸山OT(作業療法士) リニエプラッツ阿波座 所属

・Instagram
https://www.instagram.com/erimayaruma/



◼️八重樫OT(作業療法士) リニエプラッツ二子玉川 所属

・Threads
https://www.threads.com/@ot_ya/

・Instagram(リニエ子ども未来研究所)
https://www.instagram.com/linie_kodomo_lab


◼️リニエ学校支援
・note
https://note.com/l_school_support