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リニエ訪問看護ステーション住之江

看護師理学療法士

理学療法士による移乗介助レクチャー〜看護師が重心移動と身体の使い方を学ぶ、多職種連携での実践的な学び〜

PTスタッフから移乗介助のポイントを受けて練習する様子

こんにちは、リニエ訪問看護ステーション住之江 管理者の登です。
訪問看護の現場には、ほんの数秒の介助に、ご利用者の安心とスタッフの緊張が重なる瞬間があります。

ベッドから車いすへ移る。車椅子から立ち上がって、トイレに移る。
その一つひとつの動作が、ご利用者にとっては「今日も自分らしく過ごせるか」につながり、支える私たちにとっては「安全に関われているか」と向き合う大切な場面になります。

先日、リニエ訪問看護ステーション住之江では、PT(理学療法士)による移乗介助の実技レクチャーを行いました。
今回は、看護師が重心移動と身体の使い方を学びながら、職種を越えて日々のケアを見つめ直す時間になりました。

不安があるからこそ、学ぶ意味がある

訪問看護では、ご利用者の状態や住環境に合わせて、ベッドから車いす、車椅子からトイレなど、さまざまな移乗場面に関わります。

しかし、看護師がバイオメカニクスや重心移動、てこの原理といった介助動作の考え方を体系的に学ぶ機会は、決して多くありません。

現場では「この支え方で本当に安全だろうか」「力で支えようとして、かえって負担をかけていないだろうか」と迷うこともあります。

だからこそ、PTの視点をチームで共有することには大きな意味があります。

専門職それぞれが持っている知識を出し合うことで、一人では見えにくかったケアの工夫が見えてきます。

「怖い」が「なるほど」に変わった瞬間

今回のレクチャーでは、単に「持ち上げる」のではなく、足の位置、身体の向き、体重のかけ方、相手の重心がどこにあるのかを確認しながら練習しました。

PTスタッフは手書きの図を使い、身体の動きを一つひとつ分解して説明しました。

言葉だけでは分かりにくい重心の動きも、図で見て、実際に身体を動かしてみることで、少しずつ感覚としてつながっていきます。

重心移動の考え方を共有するために使用した手書き図

レクチャーを受けた看護師からは、

「めっちゃわかりやすかった」
「絵に描いて教えてくれたり、身体の使い方を教えてくれたりしたので分かりやすかった」

という声がありました。

一方で、最初からすぐに安心してできたわけではありません。
体重をかける場面では、「落ちそうで怖い」と感じることもありました。
けれど、実際に体感してみると、「この方が上がるんや」と納得できる瞬間がありました。

頭で分かるだけではなく、身体が納得する。
その瞬間に、介助への不安が少しずつ自信に変わっていきます。

介助は、力ではなく「一緒に動く」技術

移乗介助は、力で何とかするものではありません。

ご利用者の体格や身体機能、座る位置、ベッドや椅子の高さ、部屋の環境によって、必要な関わり方は変わります。

今回の学びで大切だったのは、一つのやり方を覚えることではなく、「相手の重心がどこにあり、どの方向へ動くと介助しやすいか」を考えることでした。

「相手を持ち上げるのではなく、相手の動きを感じながら、一緒に動く。」

その視点を持つことで、ご利用者にとってもスタッフにとっても、より安全で負担の少ない介助につながります。

看護師からは、「こんな感じでやったら安全なんやなと思った」という前向きな感想がありました。
その一方で、浅く座ってしまった場合の修正や、坐骨の位置の捉え方など、今後さらに練習したい点も挙がりました。

できるようになったことと、まだ難しいと感じること。
その両方が見えたからこそ、今回のレクチャーは実際の訪問につながる学びになったと感じます。

多職種連携は、日々の小さな場面で専門性を持ち寄ること

多職種連携という言葉はよく使われますが、本当に大切なのは、日々の小さな場面で専門性を持ち寄ることだと思います。

PTが身体の動きの視点を伝える。

看護師が現場で感じている不安や困りごとを言葉にする。

そのやり取りの中で、ケアは少しずつ具体的になり、チームとしての力になっていきます。

今回のような勉強会は、看護師だけでなく、訪問に関わるスタッフ全体にとっても有意義な機会です。
基礎的なリハビリや介助の視点を共有することで、日々の訪問での判断や関わり方が変わっていきます。

今後も学び合う事業所へ

介助の感覚や現場での困りごとを共有する様子

今回、看護師たちからは、「定期的にこういう勉強会をやってほしい!!」という声がありました。

また、PTスタッフの説明についても「教えるのが本当に上手い」「分かりやすい」という感想があり、専門職同士で学び合うことの価値を改めて感じる機会になりました。

リニエ訪問看護ステーション住之江では、今後もPT、OT、看護師がそれぞれの専門性を持ち寄り、現場で役立つ学びを共有していきます。

移乗介助に限らず、おむつ交換や認知症の方への関わりなど、日々の訪問で悩みやすいテーマについても、事業所として継続的に学習機会をつくっていきたいと考えています。

ご利用者が安心して在宅生活を続けられるように。

そして、支えるスタッフも安心してケアに向き合えるように。これからもリニエ訪問看護ステーション住之江は、チームで学び合い、日々のケアに活かしていきます。

リニエ訪問看護ステーション住之江
看護師 管理者 登(のぼり)