リニエ訪問看護ステーション住之江
言語聴覚士
ことばを話す根っこになる、大切なこと
こんにちは。
リニエ訪問看護ステーション住之江 言語聴覚士の稲垣です。
言語聴覚士として、ことばが出にくいお子さんに関わらせていただくことがあります。
今回は、「ことばを話す根っこになる、大切なこと」についてお話ししたいと思います。
『ことば』の基礎
ことばの基礎とはなんでしょうか。
ことばの練習というと、どういったものを思い浮かべますか?
絵カードを使ってその名前を言ってもらう?
ことばを復唱してもらったりする?
もちろん、そのような練習をすることもあります。
ですが、ことばを話すにはまず、「相手に伝えたい」という気持ちが起こることが重要です。
ことばを発する根本には、何かが欲しい・したいという要求や、自分が心を動かされたことを他者と共有したいという情動があります。
「おもちゃが欲しい!」
「抱っこして欲しい」
「お散歩に行きたい」
「楽しかったね」
「ワンワンかわいいね」
「怖かった!」
などですね。
ことばを獲得中のお子さんには、特に「伝えたい」という情動に注目して、大事に育てることが大切です。
好きなことや遊びを通じて出る『ことば』
まずは、そのお子さんが好きなことや遊びを通して、ことばの発達を促すことが多々あります。
お子さんに遊びや会話の主導権をもってもらい、そのペースに合わせます。
好きなことは、お子さんによりそれぞれです。
ですが、男の子のお子さんで、鉄板と言っていいほど人気なのは電車!
これまで訪問させていただいた男のお子さんのお家には、100%プラレールがありました。
おもちゃの電車が動くのをじっと見たり、たくさん電車を連結させたり、線路を組み立てて立派なコースを作ったり。
ことばがまだ出ないお子さんでも、大好きな電車を指さして、「見て見て!」と他者と興味を分かち合うといったコミュニケーションが生まれます。
おもちゃは、子ども心をくすぐるように考えられて作られているなあと、本当に感心します。
動機があって『ことば』がある
大人に置き換えて考えてみるとどうでしょうか。
例えば外国語を習得しようとするとき。
ただ学校の授業で一律に外国語を習っているよりも
「海外旅行で現地の人と直接話したい」
「好きな洋楽を上手く歌いたい」
「外国人の恋人ができた」
などの強い情動や動機があるときのほうが、格段に修得が進むのは想像に難くありませんよね。
お子さんであっても、成人の方であっても変わらず、その方の心からの情動や動機を引き出せるようなリハビリをしたいと思っています。
リニエ訪問看護ステーション住之江
言語聴覚士 稲垣