リニエプラッツ阿波座
共同広報推進室
安心をつなぐ役割ーリニエプラッツ阿波座
こんにちは、広報の米澤です。
今回は、放課後等デイサービス「リニエプラッツ阿波座」で送迎ドライバーとして携わる齋藤さんにお話を聞いてきました。
令和4年5月に100周年を迎えられたボントン株式会社の代表取締役社長として長年アパレル業界を牽引してきた齋藤さんが、肩書きを離れ、経験の異なる分野で子どもたちや支援の現場に向き合っています。
その中での出来事が、齋藤さんの価値観に新たな視点も運んできたそうです。
異業種に興味を持ったきっかけや福祉分野に関わってみて感じたことをお聞きしました。

非常用発電機と児童発達支援─選んだ社会貢献のかたち
コロナ禍でご自身の会社のメンズアパレル事業の稼働が難しくなってきた頃、以前から興味のあった社会貢献に視野を広げるようになった齋藤さん。
その時に着目したのが「非常用発電機」と「児童発達支援」でした。
非常用発電機は病院などで設置が義務付けられている電源装置で、災害時にも医療が途切れない体制を維持するには電力の安定供給が不可欠であり、常に作動できる状態に保つことが重要になります。
その点検事業に取り組むことで、社会のライフラインを支えられると考えたそうです。
(非常用発電機のメンテナンスや負荷試験点検を行う事業も今年(2025年)から開始。)
ただ、「児童発達支援」についてはその内容に強く心を動かされたものの、安易に挑戦できるものではなく、ご自身が事業として広げるにはハードルが高いと感じたと言います。
しかし、児童発達支援に何らかの形で関わりたいという思いは消えず、ちょうど見つけた送迎ドライバーのアルバイトを通じて、まずは現場の空気に触れてみようと一歩を踏み出しました。
支援の現場のあたたかさと「信頼の橋渡し」
リニエプラッツ阿波座では、「主体性」と「自主性」と大切にしながら、子どもたちが安心して心地よく過ごせる居場所をつくれるよう心がけています。
毎日学校が終わると8〜10名の子どもたちがやってきて、日々さまざまな表情と成長が生まれています。
そんなリニエプラッツ阿波座に初めて来た時のことを、齋藤さんは「スタッフみんなが思いやりに溢れていて、子どもたち一人ひとりに丁寧に向き合う接し方も勉強になることがたくさんあった」と振り返ります。
リニエプラッツ阿波座に通う子どもたちは、得意なことや苦手なことがそれぞれ異なり、コミュニケーションの取り方や気持ちの伝え方もさまざまです。
だからこそ、同じ目線で寄り添い、声色や視線、小さな表情の変化を見逃さず、一人ひとりの思いに気づいてあげることが大切です。
子どもたちの「自信」と「可能性」を広げられるお手伝いがしたいというスタッフの思いが関わりにも滲み出ているのだと思います。
齋藤さん自身も経営者として、「自分の会社に入って損はさせない、ここにいてよかったと思ってもらえるようにスタッフを育てたい」という思いを持っていらっしゃいます。
そうした経営者視点から見ても各スタッフの誠実さが垣間見られ、リニエプラッツ阿波座でも、自らも一緒にあたたかく信頼できる雰囲気をつくり上げていきたいと考えてくださっています。

「時間=コスト」から「時間=安心」へ
齋藤さんの役割は子どもたちを安全に送り迎えすることです。
その短い時間の中にも想像以上に深い意味があることに気づいたそうです。
「スタッフと保護者のやり取りを見ていると、 “こんなことができるようになっていましたよ”“これは今日、ちょっと苦手だったようです”など、その日の様子を細かく伝えているんです。」
保護者にとって、子どもがリニエプラッツ阿波座でどう過ごしているのかは見えにくいものです。
だからこそ、その一言ひとことが安心につながるのだと思います。
長年、経営者として時間を「効率」と考えていた齋藤さん。
しかし、リニエプラッツ阿波座での経験はその価値観に変化を与えたそうです。
「今までは“時間はコスト”と考えていました。でもここでは、送迎時のちょっとした会話や笑顔のやり取りが、お子さんや保護者の“安心”という“付加価値”になっていると感じました。」
アパレルで言うと、ブランドの価値を上げることが安心感だったそうですが、時間=コストだけではない視点に気づき、時間を作って信頼を築くことが安心感につながるのだと実感した出来事でした。
子どもたちの成長を見守るスタッフの思いや、場面ごとの何気ないひとこと、ご家庭と子どもたちをつなぐ送迎の時間もリニエプラッツ阿波座のピースとして欠かせません。
齋藤さんの穏やかな雰囲気も、お子さまや保護者の方の心を掴むかけがえのないものです。
これからも日々の小さな積み重ねを大切にしながら、地域に根差す居場所として励んでまいります。
広報推進課 米澤