リニエ訪問看護ステーション住之江
理学療法士
パーキンソン病の在宅支援に必要な多職種連携〜垣根を越えて支えるということ〜

難病に関する多職種研修会で講演を行いました
リニエ訪問看護ステーション住之江、所長の福原(理学療法士)です。
2026年2月10日、大阪市保健所主催により、阿倍野区役所にて
「令和7年度 難病に関する多職種研修会」が開催されました。
第2回となる今回は、
「パーキンソン病のある暮らしを支えるために
〜医療と生活の視点から学ぶ〜」
をテーマに、ケアマネジャーを中心として70名を超える多くの支援者が参加されました。
大阪市では、難病法に基づき、医療・保健・福祉が連携して難病患者さんを支える体制づくりが進められています。本研修会は、疾患理解から生活支援、リハビリテーションまでを一体的に学び、多職種で支援のあり方を考えることを目的に企画されています。
リニエLからは、在宅リハビリテーションの立場として講演を担当させていただきました。
パーキンソン病は「診断された日」から始まるわけではない

パーキンソン病は進行性の神経難病です。
時間の経過とともに症状は変化し、日常生活に介助が必要となる場面も増えていきます。
一方で、実際には診断の10年、20年前から、
便秘・自律神経症状・認知機能の変化など、いわゆる非運動症状が出現しているケースも少なくありません。
つまり、パーキンソン病の支援は「診断された日」から始まるのではなく、
ご本人やご家族が「原因のわからない不調」と向き合ってきた長い時間の延長線上にあります。
だからこそ、在宅支援において重要なのは、
疾患や症状だけを見るのではなく、
その方がこれまで歩んできた人生や生活の文脈を理解する視点です。
在宅支援の起点となるケアマネジャーの役割
在宅支援の現場では、最初に関わる専門職がケアマネジャーであることも多くあります。
パーキンソン病の特性や進行の見通しを踏まえながら、
- 適切なタイミングで医療機関につなぐ
- 訪問看護や訪問リハビリを導入する
- 必要な社会資源を調整する
こうした**「橋渡し」の質**が、その後の生活の安定やQOLを大きく左右します。
今回の研修では、まさに
「多職種の垣根をどう越えてつながるか」
が重要なテーマとして共有されました。
医療と生活をつなぐ在宅リハビリテーションの視点
当日は、大阪公立大学 神経内科の長谷川樹医師より、
パーキンソン病の病態や治療に関する最新の知見について、非常にわかりやすく、ユーモアを交えたご講演がありました。
医師の視点からの疾患理解は、すべての支援の土台となります。
続いて、リニエ訪問看護ステーション住之江からは、
在宅リハビリテーションの立場として、
- 姿勢保持の工夫
- 自宅でできる実践的なリハビリ
- 生活動線を踏まえた環境調整
- 進行性疾患と向き合い続ける視点
についてお話ししました。
在宅におけるリハビリは、運動療法だけでは完結しません。
「どう暮らし続けるか」「どう生活を支え続けるか」という視点こそが重要です。
グループワークで実感した多職種連携の力
後半のグループワークでは、
ケアマネジャー、看護師、リハビリ職、保健師、薬剤師など多職種が参加し、ケースカンファレンス形式で支援を検討しました。
一つのケースに対して、
- 医療的安全性
- 服薬管理
- 生活動線
- 心理社会的側面
- 家族支援
といった多様な視点から意見が交わされました。
専門職ごとに「当たり前」が異なるからこそ、支援の選択肢は広がります。
顔の見える関係性があることで、いざという時に相談できるチームが生まれ、在宅支援の質は高まっていきます。
私たち(リニエ)が大切にしている在宅支援の考え方
リニエが目指しているのは、専門性を高めることだけではありません。
「生を受けてから最期を迎えるまで、
だれもがすみ慣れた地域で、その人らしい生を全うできる世の中をつくる」
これがリニエの企業理念です。
「linie(線)」という言葉の通り、
医療と生活をつなぎ、地域の多職種と横につながる存在でありたいと考えています。
パーキンソン病のある暮らしを支えるとは、
症状ではなく「人生」と向き合うこと。
進行性疾患であっても、支援の質とチームの力によって、生活の質は変えていくことができます。
垣根を越え、チームで支える在宅医療へ
難病の在宅支援は、一人の専門職が頑張ることで成り立つものではありません。
多職種が互いの視点を尊重し、垣根を越えて連携することで、
はじめて「暮らしを支える医療」が実現します。
リニエはこれからも、地域の多職種の皆さまと共に、
パーキンソン病をはじめとする難病の在宅支援に取り組んでまいります。