リニエ訪問看護ステーション住之江
理学療法士
訪問看護で役立つおむつ交換の基本|理学療法士実演による多職種勉強会を開催

リニエ訪問看護ステーション住之江 の福原です。
先日、事業所で「おむつ交換」をテーマに勉強会を開催しました。
おむつ交換は、介助する側にとっては数分のケアかもしれません。
しかし、交換されるご利用者にとっては、身体を預け、肌を見せる、とても緊張しやすい時間でもあります。
ほんの少しのずれやしわが、その後の不快感や皮膚トラブルにつながることもあります。
看護師にとっては日常的に関わることの多いケアですが、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの療法士にとっては、実際におむつ交換を行う機会が限られています。
訪問先で急に対応が必要になったとき、「この方法で合っているのだろうか」「自己流になって、ご利用者に負担をかけていないだろうか」と迷うこともあります。
その迷いを一人で抱えたままにしないために、先日、住之江事業所では、看護師と療法士の全スタッフを対象としたおむつ交換の勉強会を開催しました。
講師を務めたのは、介護士としての勤務経験を持つ理学療法士(PT)です。
「この方法で合っている?」を安心に変える、多職種のおむつ交換勉強会
勉強会は、おむつと尿取りパッドの構造を知るところから始まりました。
交換前の準備、身体の向きを変える方法、汚れたおむつの外し方、新しいおむつの差し込み方、中心の合わせ方、テープの留め方まで、一つひとつ実演しながら確かめていきます。
大切なことは、手順だけではありません。
「なぜこの位置に合わせるのか」「どこにすき間ができるとモレやすいのか」。
介護現場で培った経験をもとに、動作の一つひとつを理由と結びつけて説明しました。
やり方だけでなく理由が分かると、目の前のご利用者に合わせて考えられるようになります。

交換される側になって、初めて気づいたこと
療法士からは、「これまでおむつ交換を学ぶ機会が少なく、分からないまま自己流になっていた部分を、基本から整理できて分かりやすかった」という声が聞かれました。
今回は、説明を聞くだけで終わりません。
スタッフ同士でご利用者役と介助者役になり、おむつを差し込む位置や身体の支え方を練習しました。
実際に交換される側になってみると、少しの位置の違いやしわ、すき間が、思った以上に違和感につながることに気づきます。
普段はケアをする側だからこそ、身体を預ける不安や、声をかけてもらえる安心は、体験して初めて見えてくるものがあります。「知っているつもり」だったことを身体で確かめる時間が、次の訪問で落ち着いて関わるための自信へと変わっていきました。

ほんの少しのずれが、その後の不快感につながる
おむつ交換では、順番を覚えるだけでなく、ご利用者の身体に合わせて装着することが大切です。
尿取りパッドがずれていたり、立体ギャザーが内側に折れ込んでいたりすると、横モレや装着時の不快感につながることがあります。
実技では、新しいおむつを広げて準備し、身体を横向きにして差し込みました。
仰向けに戻した後は、中心と左右のバランスを確認します。
最後に、足まわりや腰まわりに大きなすき間がないか、反対に締め付けすぎていないかを、手で確かめながらテープを固定しました。
ご利用者の体格や動きやすさ、排尿量、普段の姿勢は一人ひとり違います。
教わった形をそのまま当てはめるのではなく、基本を土台にしながら、「この方にとって心地よい方法は何か」を考えることが大切です。

皮膚の小さな変化を見逃さないために
勉強会では、看護師からも、皮膚状態の観察方法や横モレしやすい方への注意点について補足がありました。
おむつ交換は、普段は見えにくい皮膚の状態を直接確認できる大切な機会です。
昨日まではなかった赤み、いつもより強い湿り気、触れたときの痛み。
そうした小さな変化に気づき、早めにチームで共有することが、皮膚トラブルの予防につながります。
横モレが続くときも、ただパッドを追加すればよいとは限りません。
パッドの位置やずれ、立体ギャザーの状態、おむつのサイズ、身体とのすき間を一つずつ確認します。
「どの方向から」「どのような姿勢や時間帯で」モレているのかを見ながら、原因を考える視点も共有されました。

職種の違いが、ケアの力になる
今回の勉強会には、元介護士の理学療法士が持つ介護現場での実践経験、看護師が持つ皮膚観察や排泄ケアの視点、そして療法士が日頃感じていた率直な疑問が集まりました。
職種が違えば、経験してきた場面も、得意な視点も異なります。
その違いも、互いの知識を持ち寄ることで、ケアのばらつきではなくチームの強みに変えられます。
一人では見えなかった工夫が、誰かのひと言から見えてくることがあります。
事業所内で基本的な知識と方法を共有しておくことは、誰が訪問しても、ご利用者が安心してケアを受けられることにつながります。
さらに、訪問時に気づいた皮膚や排泄の変化を、看護師と療法士が同じ視点で話し合いやすくなります。
ご利用者の尊厳を守るケアを、チームで
おむつ交換は、ご利用者にとって、とてもプライベートな場面です。
技術的に正しく交換できても、声かけがなかったり、必要以上に身体が露出したりすれば、不安や恥ずかしさを感じるかもしれません。
- 交換前にひと言お伝えすること
- できる動作はご本人に行っていただくこと
- 肌が見える時間をできるだけ短くすること
そうした小さな配慮の積み重ねが、その方の尊厳を守ります。
今回の勉強会で学んだのは、おむつの当て方だけではありませんでした。
交換される側の感覚に触れ、皮膚の小さな変化に目を向け、職種を越えて迷いを共有する。
その一つひとつが、ご利用者の安心と、その人らしい在宅生活を支えるケアにつながっていきます。
ご利用者が住み慣れたご自宅で、安心して過ごせるように。
そして、支えるスタッフも、迷いを抱えたままにせず、自信を持ってケアに向き合えるように。
リニエ訪問看護ステーション住之江では、これからも看護師、療法士がそれぞれの専門性を持ち寄り、現場で生まれた不安や疑問を、チームの学びへと変えていきたいと思います。
リニエ訪問看護ステーション住之江
理学療法士 福原