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リニエプラッツ阿波座

作業療法士

放課後デイで自信をつけて、進学塾の利用を自分で決めた高学年のA君

こんにちは。
リニエプラッツ阿波座 作業療法士の桑原です。

今回はリニエプラッツ阿波座の個別療育に通われているケースについて紹介します。
お子さんの学習面についてお悩みの保護者さんがいましたら、今回の記事が参考になれば幸いです。

小学校高学年になり、テストの点数に悩むように

高学年になり学習の困り感が目立つようになったA君は、学年が上がるにつれて学習についていけない点が多くありました。
普段の単元テストでは60~80点ほどの点数をとることが多かったようですが、年に1回の学力調査テストではクラスの平均点よりも低い点数を取っていたという状態でした。

返却された学力調査テストのスコアシートとそれぞれの問題を見比べてみると、一問一答形式の問題には答えることができているようです。

一方で、文章題になると「文中から抜き出しなさい」、「筆者の考えを書きなさい」といった問いの指示を正確に理解できていないようでした。
また、算数でも同様に一問一答のような四則演算はおおよそできていましたが、文章題の立式では「なに算」をするのかが分からず、困っている様子でした。

課題解決に向けた、個別療育での対応

リニエプラッツ阿波座では普段の取り組みの様子の観察から、問題を解いて紙面に回答を書く前に「これでいい?」と訊ねてくることに着目しました。

A君は間違えてしまうことが嫌で、一問ずつ確認をしているようです。

そのため、テストで分からない問題があると、「手が止まってしまう」ということも起こっていたようでした。

そこで、

  • 問いを見落としてしまうこと⇒注意の持続
  • 文章理解⇒主語述語など文法の確認、てにをは(助詞)の確認
  • なに算をするか⇒各単元の文章題の復習
  • 間違うことが嫌⇒スタッフの応答の頻度を減らす、解いて進むことに慣れる

といった、取り組みの方針を決めて個別療育に取り入れました。

『注意の持続』については、認知機能課題(コグトレ)の

記号探し(条件を保持しながら、じっくり見続けて数える)
最初とポン(条件を保持しながら、聞き忘れない)

といった課題に取り組みました。
学校の課題に取り組む際には、文章の最後まで読んでもらうように意識づけを行いました。

『間違うことが嫌で一問ずつ確認すること』に関しては、その不安な気持ちに共感を示しつつ

1問ずつではなく大問1が終わってから声をかける
1ページが終わってから声を掛ける

といったように、徐々に一人で取り組みを続けられるように目標設定を行いました。

『文章理解』については、小学校の低学年で習う内容から振り返りました。
特にてにをは(副詞)の使い方には、積みこぼしがあったようで、復習をきっかけにスムーズに答えられるようになっていきました。

また、『メモの取り方を一緒に練習する』ことで、聞き逃しによる学校生活での困りごとが減り、安心につながったとのお話がありました。

個別療育を卒業、進学塾へ

これらの取り組みによって、A君に自信を持ってもらうことができました。

最終的には、本人の自己決定で個別療育を卒業し、進学塾へ進むことに!

リニエプラッツ阿波座の個別療育では、本人の認知特性を踏まえ、認知機能の向上(今回のケースでは注意、指示理解)を図る課題や、学年にこだわらない学習を入れ込むことで、普段の学びの理解を助けるような取り組みも行っています。

リニエプラッツ阿波座 作業療法士 桑原