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リニエ訪問看護ステーション泉佐野

趣味とリハビリの両立を目指す!

みなさんこんにちは。
リニエ訪問看護ステーション泉佐野の理学療法士 土井です。

今回は、趣味とリハビリを両立された事例について紹介いたします。

趣味は生活を豊かにするものですが、当サービスのご利用者の中には、身体の痛みなどによってこれまで通り趣味を続けるのが難しいと思われる方もいます。
今回の記事が、そういった方への励みになれば幸いです。

趣味とリハビリ、両立への道!城模型作りで笑顔を取り戻す

「指先がしびれて、細かい作業が難しいんです。それに、腰も痛くて…」
自宅へ訪問した際、Aさん(90代男性)は、そう訴えました。

Aさんは長年、日本の城の模型作りを趣味として楽しんでいましたが、最近は両手のしびれと肩の痛み、そして腰椎圧迫骨折による腰痛のため、思うように作業ができずに悩んでいました。

Aさんの症状は、加齢による頸椎症性神経根症と腰椎圧迫骨折が原因でした。
神経が圧迫されることで、指先のしびれや肩の痛みが生じ、腰椎圧迫骨折により腰痛も引き起こしていたのです。

「もともと好きだった城作りを再開したい」というAさんの強い思いに応えるため、私たちはAさんの趣味を活かした、そして身体全体の状態を考慮したリハビリテーションプログラムを作成しました。


趣味の城模型作りとリハビリテーションを融合

Aさんのリハビリテーションプログラムは、大きく分けて3つの柱で構成されています。

  1. 頸椎症性神経根症への対応
    * 頸椎の可動域訓練:首の柔軟性を高める運動を行います。
    * 神経の滑走性改善運動:神経の圧迫を軽減するための運動を行います。
    * 肩甲骨周囲の筋力強化:肩甲骨周りの筋肉を鍛えることで、頸椎の安定性を高めます。
  2. 圧迫骨折への対応
    * 痛みの軽減:コルセットや物理療法などを用いて、腰痛を軽減します。
    * 筋力強化:体幹や下肢の筋肉を強化し、腰椎を支える力を高めます。
    * 可動域訓練:腰椎や股関節の柔軟性を維持・改善します。
  3. 趣味活動の継続
    * 作業姿勢の工夫:座位だけでなく、立位や臥位など、腰への負担が少ない姿勢での作業を検討します。
    * 作業時間の調整:長時間作業を避け、こまめな休憩を挟みます。
    * 作業環境の調整:作業台の高さを調整したり、クッションを使用したりすることで、身体への負担を軽減します。


これらのリハビリテーションと並行して、Aさんの趣味である城模型作りを継続できるよう、Aさんの作業環境や作業方法を評価し、個別にアドバイスを行いました。

趣味がもたらす喜びと多角的視点からのリハビリテーション

Aさんはリハビリを続けるうちに、指先のしびれや肩の痛み、腰痛が軽減し、以前のように城作りを楽しめるようになりました。

「リハビリのおかげでだいぶ腰の痛みも治まってきた、お城作りもできるようになった。」

Aさんの笑顔を見て、私たちは改めて趣味の持つ力を感じました。

趣味は、単なる娯楽ではありません。
身体機能の維持・改善、精神的な満足感、社会との繋がりなど、様々なメリットをもたらします。

私たちは、これからも患者さん一人ひとりの趣味や生活背景、そして身体全体の状態を考慮し、その人らしい生活を送れるように、最適なリハビリテーションを提供していきます。
Aさんのように、趣味を通してリハビリテーションに取り組むことで、身体機能の回復だけでなく、心も豊かになることを願っています。

リニエ訪問看護ステーション泉佐野 PT土井