リニエ訪問看護ステーション草津
看護師
人生の最期に在宅を選ぶ
皆さまこんにちは。
リニエ訪問看護ステーション草津、看護師の松浦です。
訪問看護に携わり1年が経ちました。
色々な利用者さんと関わらせていただく中で、たくさんの学びと感動をいただいております。
その間、私は自分の母の看取りを経験しました。
体験をここに少し、綴らせていただこうと思いますので、よければお付き合いください。
実母の最期を考える
私はこれまで、看護師として病院で勤めていました。
リニエ訪問看護ステーション草津に入職して在宅での看護やリハビリを経験したことにより、人生の最期における選択の幅が広がりました。
母の入院から看取りまでの間は、特に多くのことに悩んだ数週間だったと感じています。
7月下旬、透析を36年間継続していた母が脳梗塞で倒れ、救急車で運ばれたとの連絡が私の元に届きました。
意識は取り戻したもののはっきりとはせず、右麻痺が残り、食事も摂れるか分からない状態でした。
これからの母がどうなるのか不安で不安で仕方ありませんでしたが、事業所のスタッフは母の様子を聞いてくれたり、いろんな可能性を伝えてくれたりと力を貸してくれ、様々な分野の医療者が周りにいることに、改めて希望や勇気をもらいました。
なにより、ご利用者と関わる時間は、不安な気持ちを忘れられる時間でした。
母は花が大好きで、家族・知人・猫との時間をゆっくり楽しむ人でした。
そんな母のことを考え、私としてはどうにか自宅へ帰してあげたいと思い、透析への送迎・注入での食事になった場合の対応・在宅でのリハビリの導入など、訪問看護で学んだことを総動員させて構想を練りました。
家族にも協力を求めましたが、そもそも実家は県外であるため、本当に可能なのか不安に思う日々が続きました。
私が悩んでいる間も母は熱を出したり、反応が乏しい日もあったり、話せなくても頷くことで意思疎通が図れたり、一喜一憂する毎日でした。
「いつか退院できる」「それが難しくても外泊を目指す」と家族で話している中、医師から話がありました。
現状透析が難しいこと、透析が寿命を短くする可能性があること。
それらを告げられ、透析を止める決断をしなければなりませんでした。
とても辛い時間でした。
「それなら病院にいる理由はない、うちに帰ろう」と母に伝え、想定していた状況とは違いますが、家に帰ることができました。
最期を在宅で迎えるということ
母が息を引き取るまでの数日間、たくさんの方々の協力を得て、家族に囲まれ、穏やかな時間が流れたように思えました。
父はそばに母がいることで安心した様子で、在宅での看取りを選択して良かったと思えました。
そして、私が訪問に行けない間、草津で私の分まで訪問に行ったり、調整してくれたスタッフには感謝するばかりです。
本当にありがとうございました。
リニエ訪問看護ステーション草津で訪問看護を経験し、在宅で母を看取ったことにより、病気でも終末期でも住み慣れた自宅で療養することは可能だと実感しました。
在宅を願うご利用者やそのご家族がいる限り、可能とすべく方法を模索し、支え続けるのが地域医療に携わる自分たちの使命なのだと感じています。
これからはこの経験をご利用者へ返していきたいと思います。
リニエ訪問看護ステーション草津では在宅看取りのご依頼も多くいただいております。
ご利用者やご家族の希望や願いに寄り添って、私たちは看護とリハビリを提供していきます。
リニエ訪問看護ステーション草津
看護師 松浦