リニエプラッツ山形
作業療法士
日本作業療法学会 山形の発達支援サービスについて発表
皆さまこんにちは。
リニエプラッツ山形、作業療法士の小田です。
先日、北海道で開かれた日本作業療法学会にて発表する貴重な経験を得ましたので、その内容などをお話ししたいと思います。
日本作業療法学会発表に至った経緯
発表タイトルは「山形におけるセラピストから見た発達支援サービスの難しさ “Difficulties in Developmental Services from the Therapist‘s Perspective in Yamagata”」です。
私は日頃、サービスを提供する中で、対象児に関わるだけでなく、そのご家族への支援が重要であることを日ごろから感じております。
そこで、具体的にどのようなニーズが多いのか・地域性はあるのか全国的なものなのか、などを調査して、その結果を全国学会で発表することにより、「皆さんのところはどうですか?」と問いを投げ、今後のサービスに活かすための示唆を得たいと考えて、今回の学会発表に臨みました。
発表内容を簡単に紹介いたします。
作業療法士の視点で発達支援サービス利用児とその保護者の課題を明らかにすることを目的に、2019年6月から2023年10月末までに本事業を利用した268名の記録を調査した。サービス利用児の課題は、2から3の重複があり、「児の特性による対人関係上の課題があり、人間関係がうまくいっていない。」は、全利用児の85%であった。サービス利用児の親の印象は「勤勉」が最も多く、「障害児への関わりに対する知識が不足している。」「対象児の保護者が子どもの障害特性を認めようとしない。」との重複が多かった。
作業療法士の立場からは、これらの課題を克服し、対象児の将来への負担を軽減することが必要である。そのため、演者らは事業所において利用児の保護者を集めてペアレント・トレーニング(ペアトレ)、保護者懇談会などを開催し、「サービス利用児の親の課題」への対応を開始した。この先は、利用児への直接支援に加えて、その家族への支援を充実させるためにも、互助と公助の横展開が必要不可欠である。
日本作業療法学会での発表
同じように発達支援サービスに携わる作業療法士たちと、課題や難しさを分かち合いたいと思っての発表でした。
国際学会と同時期に開催された日本学会の最終日。
それも早朝で、来てくれる方がどれだけ居るのか正直不安でしたが、結果として持ち時間を超えても途切れないくらいの方に来ていただき、たいへんありがたかったです。
同じ領域にかかわる作業療法士が多く見に来てくれて、安堵しました。
山形に限らず、全国的に同じような課題を抱えている作業療法士が多いことが分かり、よりよい支援をするためのヒントをたくさん得ることができました。
日本作業療法学会での発表を終えて
今回の学会発表にあたり、現場で療育をしている中でなんとなく掴んでいる感覚を、改めて明文化して調査しました。
同じような立ち位置にいる多くの作業療法士が、少しずつ似通った課題を抱えていると感じることができたのは、得難い体験です。
毎日の支援をしていくうえで、ご家族のニーズや課題をしっかりととらえ、ご家族支援をする動機に繋げられる学会発表となりました。
リニエプラッツ山形
作業療法士 小田 朝暉