リニエ訪問看護ステーション船橋
言語聴覚士
STの業務内容についてご紹介
こんにちは。リニエ訪問看護ステーション船橋の言語聴覚士(ST)をしている半沢です。
「STがいるのは珍しいですね!」「STはどんなことをするのですか?」と、よくお言葉をいただきます。
まだまだ認知度が低く少数派の職種です。
そこで本文では、STの業務内容についてご紹介したいと思います。
①対象となる疾患・症状(成人の場合)
主に、脳卒中や神経のご病気による下記のような症状に対して、言語リハビリテーションを行います。
- 失語症(言葉が出にくい・言葉が理解しにくい)
- 構音障害(呂律が回らない)
- 嚥下障害(飲み込みにくい)
- 高次脳機能障害(考えたり判断することが難しい)
また、特別な疾患がなくても、ご相談いただけます。 - 低栄養(痩せている)
- 口腔機能低下(噛みにくい・むせやすい)
- 聴力低下(聞き返しが増えた・会話が噛み合わない)
これらの状態は、放置すると後々の全身の状態が良くない可能性が高いと言われています。
是非早めの相談をいただけたらと思います。
聴覚障害については検査環境がないのですが、相談いただければ専門機関をお探ししたり、生活上のアドバイスを行うことが出来ます。
②どんなリハビリテーションを行うのか?
まずは症状の原因の特定を行います。例えば、「話せない」という1つの症状があるとしたら、言葉が思い浮かばない・声が出ない・耳が遠くなって相手の声が聞こえていない・心理的な落ち込み・その他…といったように、様々な可能性があります。これは、STによるいくつかのチェックを行うと、ある程度原因が把握できます。
また、その方のリハビリテーションの目標を聴き取り、一緒に考えます。
目標に向けて、必要な訓練を組み立てていきます。
原因と目標が分かったら、それぞれに合わせた訓練を行います。
おおまかにいうと、下記のような方法があります。
- 机に向かって読み書きや、実際に会話をする訓練(絵カードやプリントなど)
- 顔面・口の中・喉の筋肉を使う運動
- 嚥下障害の訓練では、実際に食事や歯磨きを一緒に行って、安全・効果的な方法をお伝えすることもあります
- ご自身やご家族で日常的に行っていただく訓練の提案
- 障害を補う代替手段の提案
プリント課題のように頭を使った訓練は、場合によっては運動するよりも疲れるものです。
対象者の方一人ひとりの状態やお人柄に合わせて、訓練の量やレベルを調節し、楽しい気持ちで継続出来るように心がけています。
ST の領域は、頭の中や喉の中、目に見えにくい障がいのある方を対象とすることが多いです。
それゆえ、誤解をされたり見過ごされたりすることもあるのではないでしょうか。
少しでも気になる症状があれば、まずはSTのチェックを受けてみてほしいと思います。
目標に向けて、話す楽しみ・食べる楽しみを取り戻してほしいと願っています。