リニエ訪問看護ステーション草津
理学療法士
慢性的な腰痛にお困りではないですか?
こんにちは。リニエ訪問看護ステーション草津の理学療法士、寺田です。
慢性的な腰痛や肩こりなどをお持ちの方は多いと思います。
天候によってそのような痛みが悪化することはありませんか?
これから梅雨が近づきますので、今回は天候によりそういった痛みが変化する理由と、簡単にできる対策についてお話しいたします。
筋肉の緊張で痛みが起こるメカニズム
慢性的な腰痛や肩こりなどは、原因となる疾患(腰椎ヘルニアや脊柱管狭窄症、肩板断裂など)がない場合、ほとんどが筋肉の緊張によるものと言われています。
筋肉が緊張し硬くなることで
- 血流が悪くなる
- 筋肉内へ酸素や栄養が行き渡らなくなる
- 老廃物や乳酸が溜まりやすくなる
ということが起こります。
老廃物や乳酸が蓄積すると、筋肉の細胞を刺激してしまい、痛みを感じさせる物質(プロスタグランジンやヒスタミン)が生成され痛みを感じます。
これが、筋肉の緊張によって痛みが起こるメカニズムです。
天候悪化による痛みとは
さて、では天候の変化によってどういう影響があるのでしょうか。
天候が悪化した際には、温度・湿度・気圧が変化します。
気温の低下では、
- 血管が収縮し血流が悪くなる
- 寒さを感じることで筋肉を収縮させ体を温めようとする
- 筋肉が収縮した状態が続くと筋肉が硬くなり血流が悪くなる
ということが起こります。
湿度が上昇すると気圧が下がるので、身体は
- 内耳(耳の奥にある器官)が低気圧を感じ取り、交感神経を優位に働かせる
- 交感神経が優位になることで血管が収縮し、血流が悪くなる
ということが起こります。
※慢性的な痛みをお持ちの方は交感神経の活動が活発になっていることがわかっています。
このように、天候が変化した際の気温・湿度・気圧の変化は全て、血流を悪くさせる方向へ働きます。
そうすると、上記に述べた筋肉内でのメカニズムが発生することで痛みが増してしまいます。
また、痛みの原因となる疾患(ヘルニアや脊柱管狭窄症、関節リウマチや神経痛など)がある場合、痛みが起こるメカニズムは違いますが、天候の変化で同じように影響される方は多いです。
簡単にできる対策
いくつか簡単にできる対策をご紹介します。
- 規則正しい生活リズム
睡眠や食事の質を整えることで自律神経を安定させ、気圧の変化に伴う変動の幅を少なくできます。 - 体温を保つ
服装や空調で調節し体温を一定に保つことで体温の低下を防ぎ、血流の悪化を防げます。
最適な室温は20〜25℃と言われています。 - 湿度を保つ
除湿機の使用や換気を行い、湿度の上昇を抑えることで室内の気圧の低下を防ぎます。
最適な湿度は40〜60%と言われています。 - 適度な運動
筋力トレーニング、有酸素運動、ストレッチなどを行い、痛みの無い範囲で硬くなった筋肉を動かし柔らかくすることで血流を改善できます。
トレーニングのご紹介
最後に、特に多い腰痛に対するトレーニングを紹介します。
腰痛は背中や腰の筋肉が硬くなることで痛みを生じていますが、根本的には腹筋が弱くなっていることが原因であることも多いです。
脊柱(背骨)を支えているのは背筋と腹筋です。
背筋は後ろから、腹筋(腹直筋、腹斜筋、腹横筋)は横と前から支えています。
腹筋が弱くなり腹圧が低下すると、その分背筋が後ろから無理をして支えようとします。
無理をした背筋は緊張してしまい、筋肉が硬くなってしまいます。
そのため、慢性的な腰痛がある方は根本的な解決策として腹筋を鍛える必要があります。
腰の痛みで腹筋運動ができない方も多いため、腰を動かさないトレーニングを1つお伝えします。
★ドローイントレーニング
- 仰向けに寝て、膝を立てます
- お腹に手をあて、ゆっくりと息を大きく吸います(お腹が膨らむのを手で確認する)
- 息を吸い切ったのち、ゆっくりと息を吐きながらお腹を凹ませます
- これ以上凹まないところまで息を吐き切ったら、02.へ戻ります
これを1日10回×2〜3セット行うと、腹圧を高める働きがある腹横筋を鍛えることができます。
少しでも良い状態で日常生活を送るために、これからの梅雨に備えて準備しましょう!
ご不明な点があれば、リニエ訪問看護ステーション草津にお尋ねください。
リニエ訪問看護ステーション草津
理学療法士 寺田