リニエ訪問看護ステーション東淀川
言語聴覚士
ご家族に知ってほしい「飲み込み(嚥下)」の大切な話
皆様こんにちは。リニエ訪問看護ステーション四ツ橋サテライト平野、STの日浅です。
毎日の食事の中で「むせる」「飲み込みにくそう」と感じたことはありませんか?
こうした様子が見られるとき、実は「嚥下(えんげ)」という“飲み込む力”が弱くなっている可能性があります。
今回は、意外と身近な「嚥下」についてお話します。
「嚥下」と「誤嚥」について
嚥下とは、食べ物や飲み物を口から喉、そして胃へと運ぶ体の働きのことです。
この動きには、舌や喉の筋肉、声帯などがタイミングよく働いています。
私たちが何も考えず「ごっくん」と飲み込めるのは、体が自動的に動いてくれているからです。
ですが、高齢になると筋肉が弱くなったり、病気の影響で動きが鈍くなることがあります。
そうなると、「むせる」「何度も飲み込む」「食事中に咳が出る」などの症状が現れるようになります。
この状態が続くと、食べ物や飲み物が誤って気管に入ってしまうことがあります。
これを「誤嚥」といいます。
誤嚥は肺に菌が入る原因になり、誤嚥性肺炎という重い病気を引き起こすこともあるため、早めの対処がとても大切です。
「最近、むせることが増えたかも」「声がかすれてきた気がする」
そんなときは、ご家族の気づきが早期発見につながります。
医師やST(言語聴覚士=飲み込みや声のリハビリの専門家)に相談し、必要であれば検査やリハビリを検討してみましょう。
咽頭マイクのご紹介
最近では、飲み込みや声の様子をチェックするために、「咽頭マイク(いんとうマイク)」という道具が医療や介護の現場で使われはじめています。

これは喉に軽く当てて使うマイクで、声帯の振動だけを拾い、周囲の騒音を気にせず会話ができるすぐれた機器です。
また、飲み込み時の振動との違いも見分けられるため、声の出しにくさや飲み込みの異常を知る手がかりにもなります。

普段何気なく行っている「ごっくん」の動きですが、実はとても大切な行為でデリケートなんです。
咽頭マイクは、この「飲み込む動き」と「声を出す動き」の違いをうまく見分けてくれるからこそ、医療現場やリハビリテーションの未来を広げています。
ご興味があれば、ぜひ当ステーションのSTに相談ください!